「俺さ、今度見合いすることになった。」

「え?」

「お見合いするって……」

「あ、見合いったって上司の紹介でさ、
 会うだけ会ってみろって言われて、
 ま、会うだけならいいかなってさ。」

「そ、そうなんだ。」

「『社会的ステイタスとして結婚してた方がいい』
 上司の持論でさ。」


「へ……へえ。
 あ、会ってみたらいいじゃん、
 いい子かもしれないよ?」

「そうか?
 ……
 ん、
 じゃあそうするかな……」

「そうだよ。そうしなよ。」

私はいったいどんな顔してこのセリフ言ってるんだろう。

良平はどんな顔して私を見てるんだろう。

怖くて顔があげられなかった。