本当はずっと後悔していた。

あの日、
本気だって言えなかった自分を、
愛してるって言えなかった自分を。

「相変わらず、
 頑固な女だね。

 清羅。

 言っただろう?

 お前が本気になれるのは俺だけだって。

 やっとだ
 見えたよお前の本気。」

「私の本気?」

ギュッと抱きしめられた身体は、
妙に熱くて、安心感に包まれた。

あの日縛った呪縛をいとも簡単に解いて

亨は言った。

「やっと手に入った。

 俺のお姫様。

 さあ、物語を再開しよう。」


止まっていた物語が動き始めた。


神様が気まぐれで再会したのか、
運命なのか
へそ曲がりで、
意固地で
棘だらけのいばら姫を
助け出す王子はこの人なのか。

信じていいのは
抱きしめられた、
抱きしめた身体から伝わる温度と安心感と、
抱きしめたと思う衝動。


再会、再開ストーりーは

いま始まったばかり



END.