ぶわっ
行く手を阻むように前から吹きつける風
『お前なんかいらない』
そう言われてるみたい。
胸のあたりからざわざわと沸き上がる感情を慌てて引き留める。
泣かないわよ。
あんな過去の汚点に一滴だって無駄遣いするもんですか。
キュッと唇を噛んで、
前進する。
カツカツカツンッ
大股で駆けて近ずく足音に
驚いて振り返る。
「清羅っ!」
あいつが私を追いかける?
まさかそんな?
胸の中であり得ないくらい熱い思いが溢れるのを感じる。
私に追いついた亨は、
右手を引っ張ってこう言った。
「釣り忘れてんぞ。」
「お釣り……」
一瞬でも、
期待した顔をしてしまった自分を恥じた。
チャリッ小銭を握らせ、
ニッと笑った亨に、
前の事がフラッシュバックして、
留めていた感情の防波堤が決壊した。
「馬鹿男!」
チャリリーーーン
小銭を撒き散らかして、
あろうことに亨の胸に自ら飛び込んだ私。
なんでなんで?
理性が1メート頭上からSTOPを掛けるけど、
衝動的な感情に突き動かされた私は、
亨の胸でワンワン泣いていた。
行く手を阻むように前から吹きつける風
『お前なんかいらない』
そう言われてるみたい。
胸のあたりからざわざわと沸き上がる感情を慌てて引き留める。
泣かないわよ。
あんな過去の汚点に一滴だって無駄遣いするもんですか。
キュッと唇を噛んで、
前進する。
カツカツカツンッ
大股で駆けて近ずく足音に
驚いて振り返る。
「清羅っ!」
あいつが私を追いかける?
まさかそんな?
胸の中であり得ないくらい熱い思いが溢れるのを感じる。
私に追いついた亨は、
右手を引っ張ってこう言った。
「釣り忘れてんぞ。」
「お釣り……」
一瞬でも、
期待した顔をしてしまった自分を恥じた。
チャリッ小銭を握らせ、
ニッと笑った亨に、
前の事がフラッシュバックして、
留めていた感情の防波堤が決壊した。
「馬鹿男!」
チャリリーーーン
小銭を撒き散らかして、
あろうことに亨の胸に自ら飛び込んだ私。
なんでなんで?
理性が1メート頭上からSTOPを掛けるけど、
衝動的な感情に突き動かされた私は、
亨の胸でワンワン泣いていた。