電話を切った後、
はあ、
と大きくため息をついた。

何よみんないつもちやほやしてたくせに、
肝心な時、誰も捕まらないじゃない。

そりゃあ、特定な人は作らない主義だけど、
遊び相手には不自由してなかったのに。

俺様プリン買うのやめようかな。

プリン戻そうとして、
でも、期間限定だし、
と思いとどまった。

プリンの入ったかごを持って、
レジに並ぶ。

「2個で480円です。」

千円渡すと

「こんな大きなプリン2つも食べるの?

元気そうだな清羅。」

店員さんが話しかけて来た。

「え?」

視線を上げると、
見たことのある顔だった。

「誰だっけ?」

「酷いなあ、これでも1か月付き合ってただろ。」

「原 亨(はらとおる)……」

「そうだよ。相変わらずだなお前。」


ニヤリと笑う元彼の顔。