「俺、今度転勤することになったんだ。

  俺、心配性で遠距離なんて無理だから。

 だから、そろそろ、潮時かなって思ったわけ。

 結婚しようぜ俺達。」

何?

一瞬時間が止まった。
……

真っ暗だったホラ穴から抜ける瞬間の光明


「潮時って、
 別れるって事じゃないの?」

「ちげーよ。」

あたしの勘違いだったって事?悩んだ私はいったい何だったの?

「紛らわしいのよっ」

「うるせーな。むずいんだよ日本語は!

 で、どんすんだよ?」

「どうするって何がよ!」

「結婚してくれるのかって聞いてんだろ?」

「するに決まってるでしょ!
 私を誰だと思ってるのよ。」

「マジ?やった。」



しまった。


大事なプロポーズの返事
まるで売り言葉に買い言葉でしてしまった。
人生の一大事、
やってしまった大失敗!

「待って待って、今のは無し、やりなおし!」

焦る私のSTOPの願いかなわず、

「出会った時から分かってた。

 子ネコみたいなツンデレ花音を、
 俺以外誰が手に負えるんだよ。

 お前が俺の回りちょろちょろするの可愛かったからな。

 けど、離れてたらお前が見られなくなる。

 流石の俺も、離れてやってける自信ない。

 なあ、ずっと俺の傍にいろよ花音。」