「ほら先輩着きましたよ。」

「まひるちゃん。男なんて信じちゃだめよ
 やっぱ女は自立!自立しなきゃねっ!」

「はいはい、分かってます。
 早く寝ちゃってください。」


「あ~もう、ぜんぜん分かってないのよ~?聞いてる?
犬のおまわりさんなんか信じた子ネコは結局はさぁ~
まいごのままなのよ。
子ネコはね~
自分で道を探すべきなの!」

「あ~そうでしたそうでした。
 おやすみなさい!」

「お休み~♡」

暫くして

鍵をカチャリとかけた音。

コトンとポストに落とされた音。

去っていく小さな足の音。

シン。

自分の呼吸だけが響く部屋。

一人になって急に降りかかってくる嫌悪感。

あ~あ、

会社の後輩のまひるちゃん。

最近長年の恋が叶ったばかりで、幸せいっぱい。

そんな彼女に抱えられて帰る私。
情けないな、

後輩に絡むとか。

ちょっと妬ましかったのかも。
手放しで幸せそうな彼女の事が……