私のお父さんは人気の画家・柳川京介で、家の中にはたくさんの絵があふれている。
そんな父の書斎の画集の中の中学生による作品集で見かけた斉藤先輩の絵を見たとき、なにかがびびびっときた。
そのページには付箋が貼ってあって、ユウマと書かれていたから、その他もろもろの情報から斉藤先輩にまでたどり着いてしまった。
窓からあふれる光を浴びて、なんて斉藤先輩はきれいなんだろうと思ってたら
「あの・・・」
「・・・えっ、あ、は、はい!」
「いつも、そこにいる子だよね?」
え、さ、斉藤先輩に覚えられてる・・・
「え、えっと、そ、そうです」
やばい!いきなりすぎてなんて言ったらいいのかわかんない!
「これ、あげる」
わたしがあたふたしているうちに、はい、と渡されたものはスケッチブックの一ページ。
「暇だったから」
そう言ってほほえむ斉藤先輩はきれいで、きれいで。
思わず見とれてしまう。
「かわいいね、菜緒ちゃん」