ほこりをかぶった美術室。


その中で、ずっとひとりで絵を描く人は


私のあこがれの人。




白い肌に、私と同じ栗色の髪。


目の雰囲気はとても穏やか、しかも高身長で優しい性格。




____斉藤悠真(さいとうゆうま)。



私は、この清秋高校に入学してから1年間、

この後ろ姿を追いかけ続けている。



でも、好きになったのはずっとずっと前から。





すべての始まりはあの雪の降る日に父親の書斎で見たあの画集からだ。