しばらくすると、また轟音が地面を振動させて、巨大な鉄の鳥が飛び立っていった。
ふたりでベンチに座って、飽きることなくそれを眺めながら、
わたしは静かに、となりの、触れそうで触れない体温を感じていた。
落ちていく太陽に見つめられながら、嬉しくて、ほんの少し寂しい気持ちになる。
整った横顔をさりげなく見つめながら、強く思う。
――この人が、罰ゲームなんかじゃなく、本当に、
わたしのことを……好きでいてくれたらよかったのに。
オレンジ色の光に照らされ、深く陰影をきざむ整った顔を見ていると、
どういうわけか泣きたくなった。