「なっ」
声がかき消されるほどの大音量があたりを包んだと思ったら、鉄柵の向こうから巨大な鉄の塊が現れた。
「――っ」
声を失う。
耳を圧迫するようなエンジン音。
頭上をかすめるようにして飛び立っていくのは、鉄の翼を持つ、巨大な鋼鉄の鳥。
「わあああ!」
機体に取りつけられたライトの明滅も、普段はめったに見られない腹部分に描かれた模様も、
はっきりと見ることができる。
わたしたちの頭上を越えて、何十メートルもある巨大な飛行機は、あっというまに遠ざかっていく。
あたりに反響していた轟音も、機体の大きさに比例して小さくなっていった。