いくら一本道だとしても、このまま日が落ちてしまったら、帰れなくなるんじゃないのかな。

そんな不安がよぎったとき、両側に続いていた森林が、急にひらけた。


目の前を横切るように柵が張り巡らされ、その向こうに背の高い草が生い茂っていて、柵の中に何があるのかは見えない。


ただ、広大なスペースが、見渡す限り広がっていることだけは分かった。


「ここ」


高槻くんが、背の高い柵に右手を伸ばし、向こう側を眺めながらつぶやく。


歩いてきた一本道の突き当りは遊具のない小さな公園のようになっていて、ベンチが2基と自動販売機が1台設置されていた。


「ここって、何の場所?」

「……しばらくしたら分かるよ」


高槻くんは自動販売機でホットのカフェラテを買うと、わたしに手渡してくれた。