高槻くんが眉を下げて、ほんの少し困ったようにお腹を押さえるから、わたしもつられてお腹を押さえた。


その瞬間、わたしからきゅるきゅると小さな音が響いて、彼の目が驚いたように丸まる。

まるで返事をするようなタイミングの良さ。


「ぶはっ」と堪え切れずに笑い出す彼に、わたしは恥ずかしさのあまり、うつむいてしまった。


と、伸びてきた大きな手が、わたしの手をとらえて。


「飯、いこ」


優しい表情に見下ろされ、一気に鼓動が加速する。


乾いた空気のなかで、触れ合う手のひらはしっとりと温かい。


恥かしいのに嬉しくて、どうしていいのかわからなかった。

ただ、自分の顔が真っ赤に燃えているのはわかる。


高槻くんと目を合わせられず、わたしは彼に手を引かれるまま、晴れた青空の下を歩き出した。