「お姫様。ありがとう」



本を読み終わると女の子はお家へと駆けて行った。





窓の開いたたお家からは、お伽話は全て嘘よと女の子に教えてる母親の声が聞こえてくる。





「誰も信じてくれないのね…」






お伽話のような家。

お伽話のような街。

お伽話のような国。



そこに住んでいる人はみんな意外と現実的な考えを持っている。





他の国の人と同じような悩みを抱えてる人も沢山いる。


どうしたら病気にならなくて済むのか。

どうしたら沢山お金を稼げるのか。

どうしたら好きな人と一緒になれるのか、と。






それだから必然的に、夢のある国でも空想とされることは残らず消えていくの




人魚なんて存在しない。

魔女何ていない。

青い太陽もこない。

月も緑には染まらない。

伝説なんて誰かの作り話にしかすぎない。





この国の人々にとっての当たり前のことが、他の国の人の非リアルであることも確かなのに、


空飛ぶ絨毯も羽の生えた妖精も
ないものはない、いないものはいない
そう言い切る。




本当は居たのかもしれない。
本当に起きたことかもしれない。



けれど、誰も見てなくて、誰も体験していない話しは消される運命。







誰も言い伝えや古い書物に残された話しを信じない。