いつもの様にナオの部屋で私はグダグダしていた
ナオは友達が来てると私を部屋に置いて
友達と居間でゲームしていた

私は自然といつも遊びに来る友達の1人ノリと仲良くなった
ノリはいつも放置されてる私を気にかけてくれた

ノリは少し小柄な男の子
やんちゃ坊主だけど困ってる人がいたら
ほっとけない様な熱い人だ




「居間においでよ
ここにいてもつまんないでしょ?」

ちょこちょこ部屋に来ては誘ってくれた
だんだんと仲良くなって私はナオのことを相談する様になっていた


ノリはいつも黙って聞いてくれた
聞いてもらうだけでこんなに気持ちが
楽になるなんて思ってもなかった

ナオの態度に我慢の限界がきてた私は
間違いを起こした


ナオがバイトに行った後
私はノリに相談していた

「ナオは私の事よりバイトが大事で
全然相手にしてくれない
何度話し合ってもバイトだから無理で話終わっちゃうし…」


「ナオは私の事好きなのかな?」

「俺はナオの気持ちはわかんないけど
俺ならもっと大事にする」

「ナオじゃなくて俺とつき合ってよ」


私はビックリして固まっていた
ノリの事は好きだけど友達として好き
ナオへの気持ちとは違う
そんな事をグルグル考えてると

ノリはキスをしてきた

突然すぎてわけが分からなくなっていた
私は何も答えずその場から逃げ出した


時間が経つとナオへの罪悪感でイッパイ
になった
やっぱりナオが好き
失うなんて考えられない
ナオを失いたくない私はノリとのキスは
無かった事にしよう…とズルい事を
考えていた


罪悪感からは逃れられないまま
ナオの家に行く

いつもと変わらない笑顔が私には辛かった
この笑顔を失いたくない…
ずっとそばにいたい


笑顔を見るたびキスをするたびに
罪悪感が募った


「あのね…私…ノリと…キスしちやったの…」


ナオの顔からどんどん笑顔が消えて
見たこと無い目で私を見つめる


「は??マジで?」

「ごめんなさい!ナオの事相談してて
そしたらノリが告白してきて…それで」


長い長い沈黙が続いた

「一回だけ?」

「うん…」

「ノリからしてきたの?」

「うん…」

「…ならいいよ…許すよ…」

「本当に?本当にごめんなさい二度としないって約束する」


ナオに対する不満はあったけど
ナオを失う怖さに比べたら小さい事に思えた

失ってから存在の大切さに気づくって言うけど本当にその通りだと思った
そばに居るのがあたり前になって
どんどんワガママになっていく

相手を責めるて欲しがるばかりじゃ
上手くいかない


ナオが許してくれるとは思わなかった
ホッとしたようなそわそわする変な
感じで家に帰った