最初で最後の恋

それから、雅が学校に来ないまま、夏休みがやって来た。




今日は、沖本君の家で、宿題をしている。




「あれ…」


「どうした?愛里」


「またあるよ。


髪の毛……」


「え……?」




私の足元には、またあの黒くて長い髪の毛が。


沖本君は、心配そうな顔をしている。




「あっ!沖本君の事を疑っている訳じゃないよ。


だって、沖本君はそんな人じゃないって、私知ってるもん。


沖本君の事を嫌いになったりしないよ」


「そっか…ありがとう」




沖本君は、ふう、と安心したようにため息を吐いた。




だって、沖本君の事は元から嫌いだもの。




それはそうとこのニオイ……。


何だろう…。