下駄箱までスタスタ歩く。

「 おいお前 」
後ろから爽やかな声が聞こえた。

初めて聞いた声。
私は声だけでも人を見分けられるけど
この声はわからない。

誰だろう、そう思いながら振り返る。

そこには、多分年上のサッカー部の
先輩がいた。身長が大きいし、髪が
フサフサしていて綺麗だった。
だけどスリムで、可愛い顔をしている
から、モテるんだろうなあと
思って見つめる。

ぼーっと彼を見つめていると、

「 あの、さ、俺川島光矢って
言うんだけど知ってる ⁇ 」

いきなり … ⁇
でも、顔を見たことがあるだけで。

「 すみません、顔は見たこと
あるんですけど… 」

彼はちょっと落ち込んだように見えた。

「 だよなあ、俺、
あんま目立たないし 」