銃口を向け合ったまま、ガイストとゴーストは睨み合う。

「誰から頼まれたのか聞かせてくれないか」

「……」

「依頼主の情報は漏らさないか」

「俺も詳しくは知らない」

「相手が誰かも知らないのにこんな仕事を引き受けたのか?金を貰えれば誰にでも尻尾を振る犬か?」

「お互い様だろう、俺達傭兵は、みんな『戦争の犬』だ」

「…違いない」

銃口を向け、視線を外さぬまま、ゆっくりと円を描くように動く両者。

歩く姿にさえ隙がない。

その技量に、ゴーストは感服していた。