「なんだよ、コレ…」

桂馬は玲のケータイを覗き込んだまま呟く。

和樹は桂馬の声にハッとした様に慌てて自分に届いたメールを確認する。

「完全に可笑しいな…俺に届いたメールも同じだ。しかも本当に一年生全員…それに先生たちにも送られてるみたいだな。」

「ちょっと待てって!生徒のアドレスだけならともかく先生のアドレスまで知ってるやつなんているわけねぇーじゃん。」

いつもは明るく常に笑顔の駿も今回ばかりは無理をしている様だった。

「そう…だよな。」

4人は少しだけだが落ち着きを取り戻したが他の生徒は動揺、不安などの感情でいつもより騒がしい。

「みんなとりあえず落ち着けよ!」

冬哉のはっきりとした声が教室内に少し反響した。

それによりクラスのざわめきはなくなり全員が冬哉に注目する。

冬哉は全員が話を聞くつもりになったのを確認すると小さく息を吸った。

「まだこのメールの内容が本当なのかは分からない。けどすぐに確認できることもあるだろ?」

そんな冬哉の問い掛けに届いたメールをもう一度確認する。

それから10秒ほど経った頃だろうか…玲が何かを思いだしかの様に あ、と声をあげた。

「なぁ、冬哉。もしかしなくても出入りのことだろ?っていうことは昇降口のところ以外、窓とかもってことだよな。」

玲が言い終わると同時に全員が教室の窓に目を向けた。

「ただのイタズラじゃないってことはこの状況から分かりきってるし少しずつでも分かることを増やしていった方がいいみたいだな。」

「じゃあ、窓開けてみるか。ほら桂馬も。」

「なんで俺っ!??」

「だって力だけはあるでしょw」

「だけってことはないだろ……(泣)」

「さすが駿。ドSなのは相変わらずだな。」

駿と桂馬、そして和樹のおかげでクラスの雰囲気は良くなったようだ。

そんな中、駿は桂馬を引っ張り窓の前まで行く。

「とりあえず俺が開けるからそれで開かなかったら手伝いよろしくw」

「りょーかい。」