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「もう最悪!」
案の定、昼休憩に木村さんはキレていた。
周りのみんなもうんざりしながら聞いていた。
「今日も佐々木先生、機嫌悪かったんですか?」
奈緒が、誰も話しかけないのを気遣って話しかけると、木村さんは爆発した。
「ほんま、わけわからん質問ばっかりするし、答えられなかったら
『そんなこともわからんの?この前、後輩に聞いたら完璧に答えたぞ』
とか嫌味っぽく言われたし!!」
木村さんの声を背中に受けながら、私は笑いそうになる口元を必死で堪えた。
「そんなに佐々木先生て厳しいんですか?」
私の前に座った理学療法士の田村さんが声をひそめて聞いてきた。
「・・・厳しいのかな。熱心なタイプなんじゃないかな?私達も勉強不足だから悪いんよ」
実は子どもっぽい所があるとか、笑うとかわいいとか・・・言えるはずもない。