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「やっぱり、お揃いにしましょうか!」


自分でもなぜこんなことを言うのかが分からないくらいテンションが上がっている。

今まで、おそろいの物なんて買おうなんて思ったことはなかったのに、どうしてだろう。


「あぁ、いいよ。でもさ、このクマの柄はやめないか?」


クマの柄のコップを手に持って、渋った顔をして私の顔を見た。そりゃそうか・・・32歳の男性がクマさんの絵の入ったコップなんてね・・・・・・。


想像しただけで・・・・・・。



「ぷっ・・・」


「何笑ってるねん」



「だって、ははっ・・・瞬さんが・・・これ使ってるの・・・想像したら・・・ははっ、あぁ、お腹痛いし」


もう耐えられなくて、店の真ん中で笑いを堪えるのに必死だった。


「お前なぁ」



呆れながら言う台詞も優しくて心地よい。


「じゃぁ、こっちにしよう」


隣にあったドット柄のコップを指して同意を求めると「こっちなら」と笑ってくれた。コップと、茶碗と箸などを買った。


「瞬さん、茶碗と箸はあるじゃないですか」


口を尖らせて言うと、彼はだだをこねるように口を開いた。


「お揃いにしたいし」


ほんとにこの人はバカだ。


でも、私の方がバカなんだろうな。


こんな、らしくないことを言ってる彼でさえ愛おしい。



「うん」


彼の言葉に、女の子っぽく頷いてしまうんだ。