「睦美、今日は休みやろ?」
上機嫌で腰かけていたベッドから降り、伸びをすると振り返っていった。
「はい。でもなんで知ってるんですか?」
言った記憶なんてない。
「お母さんに教えてもらった」
Vサインをしながら嬉しそうに答える姿は、やっぱり子どものようだった。
・・・・・・母よ、あなたはなぜ、わざわざそんなことを。
こんなこと、本人に聞いても「あら?ダメだった?」なんて笑いながら言われるのがオチだから絶対に聞かない。
「あっ、そうですか。・・・・・・瞬さんはお仕事ですよね?」
昨日、お休みでしたもんね、と続けようとしたら、意外な言葉が返ってきた。
「俺も、今日休み。年末年始働きづめだったから」
両手を組んで頭の上に挙げてストレッチをしながら、羽を伸ばしているようだった。その姿を見ながら、「お疲れ様」と心の中で呟いた。
「そうなんですね」
私はベッドから下りて、セーターを整えると、私も彼と同じようにストレッチを始めた。
「んんんん・・・・・・・はぁぁぁぁ・・・・・・」
あぁ、気持ちいいなぁ。
半日横になっていたので、限界まで手足を伸ばすのが気持ち良かった。
少し体が軽くなって、リフレッシュでき、目を開けると、目の前の男は、なぜかふてくされていた。
えっ、私、なにか変なことした?
「お前、変な声を出すなよ」
「へ、変な声?」
私、そんな変な声を出してた?自分に問いかけるも答えは出てくる様子はなかった。
「さっきの声、あえぎ声みたい」
くすりとも笑わずに言うと、背を向けて寝室を出て行った。
あ、あえぎ声?
私、そんな声を出してたの?自分のやらかしてしまったことに、体中が熱くなるのがわかり、動けずいた。
バカなのは私だ・・・・・・。
昨日から今までの失態を思い返して反省していた。