******
「とうとう明日やね」
いつもの部屋、いつものソファに座り、いつもの横顔を見て声を掛ける。
ただ違うのは、その声を出すのに邪魔をする涙をこらえている事だけ。
でも、あなたは見逃してくれない。
「何、堪えてんの?」
そう私が泣くのを堪えているのなんてお見通しなんだ。
あぁ、もうあかん・・・。
外れてしまったストッパーは、元には戻りそうにない。
私は大粒の涙を流し、彼にしがみついた。
「寂しいよ・・・・・・」
もう、何を言ったのかなんて覚えていない。
思っていることをぶつけていた。
そんな私を彼は優しく抱きしめてくれた。
彼の服が濡れるまで泣き続けて・・・・・・時折、優しいキスを落としてくれた。
そして、別れを惜しむようにお互いを求め合った。