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瞬さんに連れてこられてきたのは、院長先生にお連れて来てもらっとこともある『パデラ』というイタリア料理のお店。
お店自体は小さいけど、とてもおしゃれでアンティークな置物などが置いてある。
証明も少し黄色がかっておりととても雰囲気がある。
私たちは19時ぴったりにお店に着いた。
1歩店内に足を踏み入れると、店員さんが
「いらっしゃいませ、おまちしておりました」
とすぐに席を案内してくれた。
店内は、たくさんのお客さんがいて、カップルが多いようだった。
私たちが案内されたのは、このお店唯一の個室だった。
テーブルには6人分の用意がされていた。
「あと2人来るんか?」
あと2人とは、瞬さんのご両親のほかに2人ということだろ。
落ち着かない様子で、私はキョロキョロと個室の内装を見ていた。
院長先生に連れて来てもらっていたが、
個室というの初めてで、少し緊張していた。
その時、瞬さんのご両親が到着した。
「早かったんだな」
お父様が座りながら言うと、瞬さんは、あと誰が来るのかを聞いていたが、「まぁ、来てのお楽しみやな」と笑っていた。
そして次に入ってきた人物に、瞬さんは目を丸くしていた。
「近藤教授!」
瞬さんが立ち上がったので、つられて私も立ち上がった。
あっ、この人知ってる。
短くカットされた髪に優しそうな目元。
「佐々木くん、このたびはおめでとう」
落ち着いた低音ボイスで近藤教授は瞬さんに声を掛けると、イスに座った。
「あ、ありがとうございます」
瞬さんが若干緊張しているように見える。
それくらい教授は存在感というか、オーラがある。
でも私にとっては、ご両親の方が緊張する。
そして、次に入ってきた人物に私たちはさらに驚いた。