有名な私立小学校ともあって、みんな賢そうな顔をしていた。


小学生の頃の瞬さんは幼く可愛かった中学生の瞬さんは少し髪を伸ばしていた。



「この髪型もいいね~」


「そうか?自分で見たら気持ちわるいけどな」


照れ隠しなのかはよくわからないが彼はそう言った。


ページをめくると、クラブの写真が出てきて、再び彼を探すと、バスケ部で発見できた。


腕を組み、脚を開いて堂々と立っている姿がかっこよかった。



「ねぇ、モテたでしょ?」


後ろにいる彼の顔に上目遣いで言ってみた。


「それなりにな」


「うわっ、否定しないんだ!」


まぁ、頭が良くて、背が高くて、顔も良くて、運動もできるとなったら、モテないわかがないよね。


そして、高校の時の彼は、さらにかっこよくなっていた。


めっちゃ、爽やかに笑ってるし!!


彼の犯罪的な笑顔に打ち抜かれそうになってしまった。


「彼女いた?」


すぐに浮かんできた疑問。


絶対にいるはずなのに、聞いてしまった。



「あぁ、まあな。でもすぐに別れたし」


『気にするなよ』とでも言うように彼は私の髪をクシャっと撫でた。


「ふうん」


「私とクラブ、どっちが大事なんよ!って言われて別れた」


自嘲気味に笑う彼は、さらに「いつもこんなこと言われてるし」と言った。


「・・・・・・私、この時に出会いたかったなぁ」


本当にそう思う。高校生の時に同じ時を過ごしたかった。


そして、彼の隣にいたかった。



「俺も、睦美のセーラー服姿見たかった」


不純な動機の彼の脇腹に手を伸ばし抓った。


「痛っ!」


「アホなこと言うから」


「アホなことって・・・・・・」


「残念ながら、うちの学校の学校はセーラー服じゃありませんから」


そう言うと、「そうなんか、残念」と、冗談なのかそうでないのかわかない言い方をし、笑った。


「あれ?これって上野山さん?」


しかし、本人は今とは違い、色が黒く痩せていた。


「そう、あいつ野球部やったから真っ黒やろ?」


「へ~上野山さんが野球部とは想像できないなぁ」


「そうやろ?今さ、相当ストレス溜まってるんか、ブクブク太ってさ、あれどうにかならんのかな?」


「ストレスか・・・」


いつもニヤニヤしてるけど、やっぱり大変よね。


毎日忙しそうやもんな・・・。


「まぁ、いいけどさ」


と言いながら瞬さんは次のページをめくっていた。


「これ、雄哉」


写真の中の男の子は、黒縁のメガネを掛けて、真っ黒な髪で『真面目』を絵に描いたようだった。


「え―!!今と全然違うやん!」


「そうやろ?」


「人は変わるものなんや」


と意味ありげに言うと、その先に進んだ。

高校でもバスケをしていた瞬さんは、中学の時とは違い、ワイルドになっていて、やはり外見では他の人に劣ることはない。


そうだ、この俺様な性格はいつからなんやろう・・・。

仕事に真剣なのはいいけど・・・・・・あんなに怒らなくてもと思うことがある。


「何考えてんの?」



1ページを穴があくほど見つめていたので、声を掛けられたことに驚いた。


「いや・・・・・・かっこいいなって」


「うそくさいなぁ」


疑いの目を向けながらも、彼はアルバムをそそくさと閉じた。