「睦美・・・・・・」
髪に顔をうずめ、腕は私のお腹に回されて、ギュッと抱きしめられていた。
「どうしたの?」
「いい?」
抱きしめられた腕が熱を帯びていく。
「あっ・・・今日はダメな日・・・」
彼の胸に埋まりながら答えると、「そっか・・・残念」と私の頬にキスをした。
そして、私を抱きしめたまま手を伸ばし、「これ見るんやろ?」とアルバム指差したた。
「いつの見る?」
「全部!」
「はいはい」
彼は、少し呆れながら3冊のアルバムを手に取り、ベッドの方へ向かった。
床に座り込み、ベッドを机代わりにして小学校のアルバムから見始めた。
1ページ目を開くと同時に再び後ろから包み込まれた。
私の肩に顎を乗せ、耳朶を甘噛みなんてする彼に、つい甘い声を出してしまう自分が恥ずかしくて、「アルバム見るんやから!」と強い目に主張した。
「はいはい」
と私の両手に自分の手を重ねるとあることに気づいたようだった。
「指輪は?」
私の左手には指輪はついていない。
そりゃそうだ。あんなのをつけていると、いつ落とすかわからんない。
「えっとね、ここ」
私はブラウスのボタンを2つ外して、チェーンにつけた指輪を出して見せた。
それを見ると身につけてくれてるんや」と嬉しそうに指輪を手のひらに乗せていた。
「あぁ、俺も指輪になりたいなぁ」
何てことを言うんや・・・私の顔がみるみるうちに赤くなるのがわかった。
「もうっ!」
と膨れてみせたが、そんな私の様子も気にすることなく、彼は私の胸に顔をうずめた。
そして、胸元を吸い上げるようにして赤い痕を残した。
「きれいに残せた」と満足そうに顔を上げた。
「もう、アルバム見るよ!」
私は、指輪を服の中に入れ、ブラウスのボタン留めた。
そして、改めてアルバムを開いて、瞬さんを探し始めた。