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家に入るとすぐ両親に、瞬さんにプロポーズされたこと、彼がアメリカへ行くことを話した。


「最近、元気がなかったから、気にしてたんやで。でも、よかった。上手くいってるみたいで・・・・・・」


母はもっと飛び上がって喜ぶものだと思ったので、少し驚いた。


やっぱり母なんだと思った瞬間だった。


私のことを見てわずかな読み取ってくれる。


声を掛ける時は、優しく声を掛けてくれ、そっとしておいて欲しい時は見守っていてくれる。時には厳しく、そして笑うときは思い切り笑う母が大好きなんだ。



「睦美、よかったな」


複雑な顔をして言う父は、きっといつまでも私を傍に置いておきたいのだろう。


それでも「よかったな」と言ってくれる父もまた、私を見守っていてくれている。


普段温厚な父が、瞬さんが初めて家に来た時に怒ったのには驚いた。


でもそれも、私のことを思ってのことで、今となったらいい思い出だ。


お風呂に入ると部屋へと行き、ベッドに横になり、今までの人生を思い返していた。
そして、いつの間にか眠りについていた。