「先生、彼女いるんですか?」
いつも食堂で彼の周りには女子職員が群がっていた。
一人が聞くと、みんな「聞きた~い」なんて甘い声で先生に詰め寄る。
隣にいる人なんて腕を絡ませて、胸を押しつけている様にも見える。
「いるよ」
彼は、はっきりとそう言ってくれた。
それでも群がる女たちは、ただでは終わらせなかった。
「そうなんだ。でも、もう一人くらいいてもいいでしょ?」
なんて節操のないことを言うんだ。
それでも誰も引くこともなく、話しに乗って来るのだから恐ろしい。
「ごめんね。ようやく付き合うことができた子だから、大切にしたいんだ」
後ろから聞こえる声にさえ、私の体は真っ赤になっているのではないかと心配になった。