「ふふふ・・・」


「何、笑ってるの?」


「瞬さん、かわいい」


「言うなら、かっこいいって言えよ」


そんなこと言われたら、言ってしまうやん。



「かっこいい」


「はぁ?アホかお前」


「ふふふ、照れてる~」



私はベッドに腰を掛けて、両足をバタつかせて、全身で笑っていた。


「よかった。笑ってくれて・・・」



耳元で聞こえる安心したような声に私の胸は痛み、笑いもすっと消えてしまった。


どれだけ辛そうな顔や声をしていたんだろう。


どれだけ彼を心配させたんだろう。



「俺さ、今日きついこと言ったのが気になってたんや」



「あれは、私がぼんやりしていたのが悪いから・・・気にしないで」


ベッドにしっかり座って、しっかり座って答えた。



「そう?でも元気なかったからさ・・・」



「疲れてるんかな?」


「そっか、ゆっくり寝ろよ」



「うん」


「じゃぁな」



お互い名残惜しむように電話を切った。


そして私はベッドに横になり、天井を見上げると、浮かんできた瞬さんの顔に笑みが零れた。



それと同時に、神尾先生にはっきり言えなかった自分が腹立たしかった。