「睦美、お腹すいたでしょ?前に学会で来た時に連れて行ってもらったところでいい?」
私の意見を聞きながらも、きっともう答えは決まってるんだ。
「いえ、私は明日も早いので・・・」
そう言って逃げようとしたが、甘かった。
「睦美、嘘はダメだよ。明日は夜勤でしょ?」
「・・・・・・」
なんでそこまで知ってるんよ・・・・・・。
私は、自分が愚かな断り方をしてしまったのが悔しくて、苦虫をかみながら、窓の外を眺めた。
「だって、僕も、明日、夜勤を頼まれたからね」
「えっ?」
私は驚きのあまり、彼の方に視線を向けたが、彼は慌てる素振りも見せず、「知らなかった?」と言った。