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「いやぁ、佐々木先生ってクールだよね」


仕事が終わり、私は神尾先生の手伝いをしていた。


神尾先生は、この2週間で2回の院内勉強会を開いてくれることになっている。



明後日が1回目の勉強会。そのために今、資料をまとめている。


だいたいは、彼が以前発表した者を他部署の職員にもわかるように変更するための作業をしている。


ほとんどできあがり、会議室の時計が21時を差し、そろそろ終わろうと片付け始めた時に出た言葉がそれだった。



「そうですね」



「でもさ、睦美にいつもあんなにきつい口調で注意するの?」



すぐになんのことかがわかった。



今日の内視鏡室でのことだ。



いつもはあんな言い方はしない。



他の人にはしてるけど、私は注意されないように気を付けてるから・・・・・・。



「いえ・・・」



私は歯切れ悪く、呟いた。



「ふうん」



彼は、私の顔を見ると、なぜかニッコリと笑った。