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次の日もまた、私は彼とほとんど行動をともにすることになる。
朝、ナースステーションに現れると、みんなの黄色い声援にも似た挨拶が飛び交う。
「神尾先生、おはようございます」
みんなから、いつもより高い声で出迎えられた彼は、「おはよう」とニッコリ笑う。
そう、その人の武器は、この笑顔。
いつでもどこでもこの笑顔を出すことができる。
端正な顔立ちから繰り出される笑顔は、どんな女性をもとりこにしてしまうくらいの威力がある。
「百井さん、今日もよろしく」
そう言いながら彼は、目を細めて、さらに笑顔を作る。
「はい。よろしくお願いします」
抑揚なく答えた。
今日は、脳神経外科の患者さんの診察と救急対応をしてもらうらしい。
彼は、優秀な人間だから、仕事上の心配なんてものは全くない。
私が心配なのは・・・・・・2人きりになること。なるべくそうはなりたくない。