午後からは、院長に呼びだされたようで、私の出番はなかった。
しかし、帰りに師長さんから、耳を疑いたくなるようなことを言われた。
「ももちゃん、明日からも神尾先生についてね、回診とかも少ししてもらう予定やから」
「はい」
嫌です。
なんて言えるはずもない私は、静かに頷くしかなかった。
「じゃぁ、よろしくね~」
明るく言う師長さんの背中を見て、一人静かに溜息をついた。
「もも、大丈夫?疲れてるんじゃない?」
一人と思っていたナースステーションに、いつの間にか束ちゃんが入って来ていたのだ。
「大丈夫、大丈夫」
空元気を見せる私に、彼は心配そうな表情を浮かべていた。