えっ、なんでここにいるの?アメリカにいるんじゃ?
ちょっと、待って・・・・・・。
私の胸は、急に激しく動き出し、呼吸は荒くなり、手足は震えてきたのがわかった。
そして、みんなに紹介されている人物と目が合うと、体が動かなくなってしまった。
「では、みなさんに紹介します。
こちらは、慶命大学病院脳神経外科の神尾亮太先生です。
つい最近まで、アメリカへ留学されていたのですが、今回帰って来られて、地域医療を勉強するため、当院に来ていただくことになりました」
師長さんの言葉も全く頭に入らないくらい、私の頭の中は混乱していた。
「もも・・・大丈夫か?顔色悪いぞ」
ぼんやりする私を見て、束ちゃんは声を掛けてくれた。
私は、目を泳がせながら「大丈夫」と答えた。
でも実際は、大丈夫なんかじゃなかった。
目の前が真っ暗になって、記憶が飛んでいってしまいそうなくらいの衝撃を受けていた。