「来週は、佐々木先生は学会のため休診です」
事務次長の上野山さんがナースステーションで木村さんに伝えていた。
「そうなんやぁ」
木村さんの嬉しそうな言葉と同じようにみんなが喜んでいた。
あの先生、どんだけ、嫌われているんだか・・・・・・。
騒がしいナースステーションを後にして、栄養室に寄り職員用の昼食を受け取ると、昼休憩をするために職員食堂へ向かった。
「ももちゃん、休憩?」
食堂へ向かう途中、後ろから声を掛けてきたのは、私の苦手な相手。
「はい、上野山さんもですか?」
私は視線を合わさずに言い、食堂の扉を開けた。
食堂には、8人掛けのテーブルが6台あるが、13時を過ぎているので誰もいなかった。
上野山さんは、テレビを付けると、私の隣に陣取った。
テレビでは昼ドラが始まろうとしていた。
ドロドロした昼ドラなら気まずいが、ほっこりとしたホームドラマだったことに安堵した。