「明日、瞬さんは仕事でしょ?」
「だから?」
だからって?いつもは次の日、仕事がない日に泊ることはあっても、仕事がある日は必ず家まで送ってくれていた。
何かあったのかな?でも、嫌ではないからいいんだけど。
「もういいです」
もう何を言っても無駄だから、これで終わりにする。
片付けを始めていると、後ろから
「睦美は、主任になりたくないのか?」
と声を掛けられた。
「あんまり考えたことがないかな?でも、主任になったら、そりゃお給料はよくなるだろうけど、その分忙しくなると思うしなぁ・・・今はやっぱり考えられないかな」
お皿を洗いながら、そう答えると「そっか」と短い返事をした。
「睦美が主任になればいいと思うけどな」
とさらりと言った。
・・・・・・主任。
私だってなりたいと思うけど、今より忙しくなると、瞬さんに会えなくなるやん。
だから、嫌なんだ。
それなのに、どうして・・・・・・会えなくてもいいの?
忙しくなればいいのにって言われてるみたい。
違うとは分かっていても、なぜかそう思ってしまう。
私が思っている程、あなたはもう私のことなんて思っていないのではないかって・・・・・・。
くだらないことと分かっていても、そう思ってしまう。