「今日は、家に送るね」


「えっ?」



思ってもいなかったことに、私は驚き窓の外に向いていた視線を運転席の方を向けた。



「ちゃんと、御両親にも説明しないと。俺も謝らないといけないし」



少し申し訳なさそうな表情で彼は言った。



「瞬さんは、謝らなくていいよ」



そう、あなたは、私を守ってくれたんだから。



「いや、少しでも睦美に危険な目に遭わせたんだから・・・」と譲らなかった。



家に着くと、「あら、先生いらっしゃい」となんとも能天気な声で出迎えてくれた。


そして、食事も摂っていない私たちは夕食の残りを食べることにした。



「先生、すみません。睦美のために・・・」



父は瞬さんに頭を下げていたが、彼は困った顔をしていた。



「いえ、頭を上げてください。私は当然のことをしたまでです」



うわぁ、かっこいい。


隣の彼に、また惚れてしまった。



「先生、かっこいいわ~。私が25歳若かったら、先生に惚れてるわ!!」



なんて、私が口にできない言葉をいとも簡単に口にした。そして、その手元にはビール。