「大好きだよ」


気持ち悪いよ・・・・・瞬さん以外の男に抱きしめられていると考えるだけで嫌だ。


私の目からは、とどまることなく涙が溢れてきた。



助けて・・・・・・お願い、助けて。



「睦美、もう誰にも邪魔されないね」



そう言うと、私の顔を両手で挟み、顔を近づけてきた。



キスされる!!


私は最後の力を振り絞って声を出そうと思ったが、その瞬間男の口で塞がれた。



私が抵抗するのと比例して、行為はエスカレートしていき、男の舌は私の口を犯す。



もう・・・・・・嫌・・・お願い・・・。



「やっぱり睦美じゃないとダメなんだよ」



立っていられなくなって座りこんでしまった私の前に座ると、そう言った。



何を言ってるのよ・・・やっぱりって何よ・・・。


逃げようとしても後ろは壁だから、動けない。



「なぁ、僕の元においで」



そう言いながら怪しげな笑みを浮かべて近付いてくる。



やめて・・・・・・やめて・・・・・・。



男が近づいてくると、私は体を強張らせて、目を強く瞑った。



もうあかん・・・・・・。



頭の上からは、「そうやっておとなしくしていたらいいんやで」と笑う声が聞こえる。


あの怪しげな笑みを想像するだけで寒気がする。


そして、私の肩に男の手が乗る感覚に気付いた時、「ドン!」と大きな音がしたと思ったら、「お前、何してるんや!!」と愛おしい人の声がし、優しく包み込まれた。



張りつめていた緊張の糸が切れて、安堵の涙が溢れだした。



ゆっくりと目を開けると、彼の胸に体を預けた。