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ピンポーン


「はい、睦美、ちょっと待ってよ」


いつもなら笑顔になってしまう声も、今日に限っては能天気な声が腹立たしくてしかたなかった。


「いらっしゃい」


そう言いながらドアを開ける顔は満面の笑み。

そして私の顔色も見ずに腕を引っ張り、部屋の中に入れると、すぐに私を抱きしめた。


「会いたかった」


そう言われるのは嬉しくないはずがない。

だって、1ヶ月会っていないのだから。

でも、今日の私は違う。この男に一言物申しに来たんだ。