「だってさ、頭はいいし、顔もいいし、確かに厳しい、いやかなり厳しい所はあるけどさ、
命を守る仕事だからそうなるのは当然なことだと、最近思うようになってきた。」
束ちゃんは、熱く語っていた。
彼は少し大人になったのかな?
今までは、なんかヘラヘラしてるだけだったのに・・・こんなにしっかりしたことを言えるようになるなんて、嬉しいよ。
「なぁ、ももはどう思う?佐々木先生のこと」
「えっ?」
何?それ?どう思うって?
「男としてかっこいいと思う?それか、厳しいから嫌い?」
なんてことを聞くんだ・・・・・・私、あの人と付き合ってるんですけど?
「かっこいいかな、仕事を真剣にしているのが感じられるから好きやけどな」
さらりと「好き」と言ってみた。きっと、束ちゃんは気付かないはず。
「そうか、やっぱり仕事ができる男がいいかぁ」
ご飯を頬張り、頷きながら言った。
やっぱり、気付かないでしょ。
徐々に増えてきた食堂では、佐々木先生の話題で持ちきりだった。