廊下を歩いていると前から背中を丸めて歩いてくる人が見えた。

すれ違ったと思ったら話しかけられた。

「職員室ってどこですか?」

「あ、あたしも今から行くとこなんで一緒に行きますか?」

「うん。」

ここの生徒なのに職員室を知らないなんて…おかしくない?

「あのー、ここの生徒ですよね?」

「俺、祐樹。今日からここの生徒になるんだ。」

「あたし2年の夏海っていいます。ちなみにあたしも今日からここの生徒なんです。」

「そ、よろしく。」

「は、はい。あのー見た目1年生には見えないんですけど、何年生ですか?」

「俺?3年だけど?言ってなかった?」

「はい。」

「別に敬語とか使わなくていいから。俺達今日からここの生徒なんだし!な?」

「そ、そーだねっ♪」

なんかすごいよね…転校してくる日が一緒だなんてさ。

祐樹先輩…なんか不思議かも。

こんな会話をしてたら、2人は職員室に到着していた。

祐樹先輩は3年2組で、あたしは2年2組だ。

あたしは南先生との話が終わると職員室を出て足を止めた。

「待っててあげよっと。」

3分後…

がらがら。

「夏海、待っててくれたのか?さんきゅーな。」

わっ。なんだろ…ただ呼び捨てにされただけなのに不思議と嬉しくなる。

「帰ろっか…。」

「うん。」

あたし達はそのあともお互いの話をして教室に戻った。