「アユミママ。今日はもう上がらせてください。」
「そう…今日は早く寝なさいね」
アユミママからもらったお金を握りしめ、足の感覚もないまま、店から出て行った。
近藤さんに事実を言ったら、寝耳に水だろう。
どこも自分に似ていない紳士の顔が脳裏を回った。
冷たい雨がスニーカーに染みる。

冷たい。冷たい。


飲み屋街の外れの公園に1人。
傘を閉じて赤いベンチで1人、雨に打たれて泣いている。






孤独が私をただ襲う。