綺麗な顔立ちをした母親がわたしを抱っこして微笑んでる写真。
それしかうちの中に残っていない。
おばあちゃんが捨てたのだろう。

近藤さんからとったこの名前も、
母親に似た髪も顔も。
全てが私を独りにさせる。
悲しくさせる。
壊す。

孤独が似合う女に仕立てる。

血の繋がらない父が一生懸命働いてる中、贅沢な暮らしをする母親も
悟りもしない実の父親も
あの人が綺麗な家に住み、綺麗な服を着て、お化粧をして、毎日美味しいものを食べて笑ってる中、
汚い狭いボロやで、バーゲンのジャージを着て、すっぴんで、カップラーメンをすすり、毎日働くわたし。
なんて惨めなんだろう。
なんて、こんな目にあうんだろう。
我慢していた涙が頬をつたって、声を張り上げて泣いた。



泣くことしかできない、赤ん坊に。いや。




久々に、女になりたかっただけ。