目的地は案外近く、すぐに着いた。

この間と似ている、人通りの少ない道。




「早くしろよっ!」



街灯一つない道に響く、怒鳴り声。

どうやらおじいさんの声らしい。

独特な高い声をしている。

・・・女みたいって思ったのは、ここだけの話。



「うるせぇんだよジジイ!」



打って変わって、こちらは若い兄ちゃんの声。

チャラそう・・・。



「年寄りに向かってその口の利き方は何だっ!」

「うるせぇんだよジジイ!殺されてぇか!」



周りに住宅がないのが救いかも。

こんな夜中にギャアギャア言い争いされたら、うるさくて仕方なさそうだもの。

ちなみに今の時刻は、夜中の2時。

丑三つ時ってやつだ。




殺されてぇかって・・・物騒な言葉並べるねぇ。

まぁ、兄ちゃんは殺し屋だろうしね。

ついつい言っちゃうのかな?

氷さんも寝起きに言うしさ、たまに。