「俺は殺し屋になった頃、紅羽の噂を多く聞きました。
“誰にも負けない天才殺し屋”とか、“ダークに勝てる殺し屋はいない”とか。
どんなベテランの方でも、皆さん口を揃えて言っていました。

ブラックキャットのボスでさえも」




ボスが・・・?




「ボスに1度だけ聞いたことがあるんです。
ダークはどのような殺し屋だ、と」

「ボスは・・・何て?」

「ただ一言・・・“天才だ”、と言っていました」



ブラックキャットのボスが・・・!?

私を・・・天才?




「その頃、俺は世界一の殺し屋となりました。
俺はボスに、俺はどうだと聞いたんです」

「何て言われたの?」

「“剣の使い方に関しては誰にも負けない天才だ。
しかし、殺し屋としての腕前は、ダークの方が上だ”、と言っていました」

「ボスが・・・そんなことを・・・・」

「ええ。
だから、俺より紅羽の方が天才なんです。
剣の扱いは、負けませんけど」



まぁ、私剣なんて使わないからね。



子どもみたくニコリと微笑む澪鵺は、

殺し屋とは思えなかった。





でも、澪鵺も。

立派な、

世界一の殺し屋、なんだ・・・・。