「俺もここ受けるって決めてたんで

文化祭来て見ましたよ、それ」


池田がそう付け足すと、


「去年は今もう卒業した1個上の先輩が

1学年6人もいたのよ」


「だからあんな大掛かりに出来たんだけどね」


懐かしそうに言う先輩たちは、


きっと

今年はあのモザイク画以上のことを、

と思っているようだ。


「そういえば、

池田くんはいいの、今日はずっとこっちで」

門脇先輩が時計をチラッと見て

心配そうに池田に聞く。


「今日は休みなんで、ずっとこっち居ます」


池田は何故かサッカー部と

この写真部を掛け持ちしてて、

週に2回の部活にすら

あまり顔を出さない程度だった。


「夏のインハイも終わって、次は冬の国立なんで、

この時期は夏からのオーバーワークにならないよう

少し練習も激しくなくなるので

比較的顔出せますよ」


こんな無愛想な感じだけど、

池田も池田で、

先輩たちの気持ちとか、写真部のこととか

ちゃんと考えてくれてるのかな。


なんだ、いい奴じゃん。


「まあ、1年が小坂1人とか

すげー不安なんで」


……前言撤回。