「え、俺勘違いって……え?
嘘、俺だけが勝手に想ってんのかと思って……」
夕焼けのせいなのか、
照れているのか
真っ赤な顔でおろおろする先輩。
先輩今、『俺だけが勝手に想って』って、
言ってくれた……?
夢、じゃないんだよね?
「その写真、
俺が今まで撮った写真で1番好きなんだ。
それを何回も見てるうちに、
このキラキラした目を俺に向けてほしいって、
もっと色んな表情見てみたいって
1度しか会えなかった子にそんなこと思ってたら、
その子が新入部員として入ってきて……
俺いつも小坂さんの色んな表情を残しておきたいって思ってたら
勝手に被写体にしてたんだ、変なことしてごめんね」
先輩もあの時の私のこと覚えてくれてたんだ。
「俺ずっと写真ばっかりで
自分の気持ちよくわからなかったけど、
君のこと、カメラを構えていなくても目で追ってる自分に気づいたんだ。
こんな俺だけど、
よかったら傍にいてください」
先輩がキラキラして見えて、
胸がキュンキュンする。
私、これからは
ただの後輩じゃなくて、
彼女として先輩の隣にいていいんだよね。