「高校最後の文化祭が1番最高で幸せだよ。

これで心置きなく引退できそう」


そうか、先輩はもう引退なんだな。


「俺の私物もかなりあるや。

片付けないとなあ」

しみじみと笑う先輩に夕日が差して、

なんだかセンチメンタルな雰囲気。


先輩は棚上にあったほこりっぽい箱を下ろす。


「わ、私も手伝いますよ!」


寂しさを紛らわすために

先輩の持っていた箱を受け取ろうとすると


「あっ!いやっ、これはっ!!」


慌てた先輩が手を離し、


箱が思いっきりひっくり返ってしまった。


中には大量の写真が入っていたみたいで、

ひっくり返った箱からひらひらと写真が舞う。


「余計なことでしたね、ごめんなさいー!」


急いで落ちた写真を拾うと、


私の写っている写真が。


へー、いつの間に撮られてたんだろ。


恥ずかしく思って、

次も拾うと、


あれ、また私?



「ああー!!」


頭上では先輩が口を押さえて何か叫んでいる。