駆けながら、
文化祭の展示内容についての案が思いついた。
もし先輩がまた私のことを
部員として受け入れてくれるなら
そのことも伝えてみよう!
「門脇先輩っ!」
部室のドアを思い切り開けると、
びっくりした顔の先輩が座っていた。
何故か他の人はいなくて、
私はずんずんと部室に入っていく。
先輩の前に立って
大きく息を吸った。
「さっきはすいませんでした!
私思ってもないこと言ってしまいました!」
下げた頭をしばらくしてあげると、
優しく苦笑いしている先輩が目に映った。
「俺が謝らなくちゃなんだよ。
代々引き継いできたこの部を終わらせちゃいけないって
その気持ちがプレッシャーになってたみたいで……。
焦って小坂さんにあたってしまったんだ。
俺のほうこそ、ごめん」
しょぼんとする先輩が
とても愛らしい。
キュンとする胸に
やっぱり自分は先輩が好きなんだなって改めて思う。
もうすでに先輩が誰かと付き合っていても、
この気持ちを伝えたい。
「あのっ、先輩!」