いやいやいや、
私多分言葉の解釈間違ってるんだよね!
「私のことって、どういう意味……」
「だから俺の好きな奴、お前だけどって」
また遮られた。
しかも信じられない内容で。
「え、さらっと何言ってんの……?」
全く知らなかった池田の気持ちを
信じられない自分がいる。
「小坂が門脇先輩を好きなこと知ってた。
それでもやっぱ好きで、
でもなんで俺じゃないんだろうって嫉妬して。
女々しいっしょ、俺」
私の気持ちがバレてたことにびっくりしてると
きっと驚いてる私の顔が変だったのか、
くすっと静かに笑う池田。
「俺さ、昔から無愛想だって言われてんの。
逆にお前って表情しょっちゅう変わるじゃん。
中学生の時この高校の文化祭来てさ、
写真部の文化祭来客の様子みたいなアルバムが
オブジェの前に作られてて、
そこに当時の門脇先輩が撮ったらしい
すげえキラキラした目の女の子の写真も貼られてたの見て
こんな風に生き生きしてんのいいなって思ったんだよね。
俺も誰かのこんな表情を引き出してみたいって思って
写真部に入部したら、
あの時の女の子が目の前にいて。
『よろしくお願いしますっ』って
満面の笑みで笑ってて、
こいついいなぁって」