スマホは池田からの電話でなっていたらしく

私を見つけて彼は発信を切った。


「えっ、ちょっと、見ないでよ!」

さっきまではどうでもいいやなんて思ってたのに

急に恥ずかしくなって手でスカートを整える。


「見てねえよ、見えたの」


何で恥ずかしがりもせず

淡々と言うかなぁ。


顔が暑いなと感じていると

「……まあ、後悔してんだろ」

多分なんとなく事情を知っているみたいに

優しく私の頭を撫でた。


こう優しくされると

自分の子供っぽさが浮きだって

また泣いちゃいそうになる。


「うん……うんっ」

謝って、

また先輩といつもみたいに話したい。


素直な気持ちがぼろぼろ溢れてくる。


「なんか悩んでんなら、聞くけど」

すっと私の隣に腰掛ける。


隣に人のぬくもりを感じて

落ち着く。


「うん……」

池田になら、話せそうだな。


私はゆっくり

門脇先輩が好きなこと、

でも美涼先輩と付き合っているみたいで、

自分はそれに嫉妬していること。


それでその姿を見たくなくて部活にいけなくて

さらに先輩に当たってしまったことを話した。